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けいとけーのメモ書き

私は絶滅危惧種です。燃やさないでください。

ディープラーニング以後の未来を予想してみたら、怖かった

(けいとけーです。唐突に書きたくなったので、つらつらと書きます。)

 

ディープラーニングが職を奪う、とかいうの、もう聞き飽きました。なので、ここでは逆に、ディープラーニング以後の未来って何なのかを予想しようと思います。

 

結論から先に言ってしまうと、ディープラーニングが普及した社会では、世界のほとんどの人々が「アンケートに答える」仕事に従事し、残りの人々は「質問を考える」仕事に従事することになるでしょう。

 

ディープラーニングというのは、ざっくり言ってしまえば、莫大なサンプルを材料に、それらを数理的に解析して、最適解を出す技術です(厳密には違うと思うけど)。つまり、ディープラーニングが得意な分野(そして人の仕事が奪われる分野)というのは、サンプルが莫大にある分野ってわけです。

2017年現在、サンプルが莫大にある分野っていうと、医療や交通量調整とか作曲とか金融とかですかね。こういったものに関しては、近い将来ディープラーニングによってある程度の結論が出て、失業者が大量に出ることでしょう。

その一方で、ディープラーニング技術を持つ会社は、大量に人員整理を行う一方で、莫大な利益を上げることができます。これらの利益を使ってまずやることは、ディープラーニング技術を活かせるほかの分野への進出です。医療で財を成したら、次は作曲に移り、次はAIによる接客業...みたいな感じで、多角化を推し進めていくことでしょう。(多角化と言っても、中核となる技術はディープラーニングただ1つです。その意味では、多角化ですらなく、ただのディープラーニング会社ってだけかも。)

このような流れが数年続けば、社会の中に存在する「多サンプル問題」は、すべてディープラーニングによって解決し尽くされることになります。既に社会にある問題は解決しつくされてしまったら、次なる投資先はどこになるのでしょうか。この問いが、先ほど申し上げた「アンケートに答える」仕事を導き出します。

 

つまり、ディープラーニングはサンプルがないと使えないんだったら、金を払ってサンプルを集めりゃいいじゃん、って発想です。幸い、ディープラーニング会社には、これまでの活動で蓄積した資金があります。これらで調査費を出し、たくさんの人を集めて、アンケートに答えてもらう。それらのデータをディープラーニングに入力すれば、問題解決ができます。既存のデータを用いる以前までの仕事よりはコストはかかりますが、資金を塩漬けにしておくよりかは良い経営判断になるでしょう。

そして、これらの事業は国家(その時にまだ国民国家が存在していれば、ですが)にも喜ばれます。たとえば、「一番健康に良くて、おいしい献立は何か?」という研究を企業が設定したとすれば、被験者にはサンプルとして健康的な食事が配られます(まあ、一部にはマズい食事が配られるかも)。これらは、ある意味では「食糧配給」というベーシックインカムになりますから、失業者の暴動も緩和されますし、飢え死にすることも少なくなるでしょう。

作曲だって、自動生成した曲を被験者に聴かせ、「どの曲が良かったか」というアンケートを取りまくれば、さらに精密な「ヒット曲」を生み出すことができるでしょう。企業がディープラーニングで儲かり続け、サンプルを収集し続ける限り、失業者もアンケートに答えるだけで、衣食住と娯楽を保証された状態で生活できるかもしれません。

でもこんな生活、「生きがい」が無くなりそうで嫌になるって? いえいえ。そんな不満は、「アンケートに答える」という行為自体が、和らげてくれます。「私は少なくともこの社会のために役立っているんだ」という些細な自己効力感が、その人の生きる糧となり始めるのです。街はデータ収集用のカメラによって常に監視され、もはやプライバシーなど存在しないというのに...。

「アンケートに答える」仕事に従事するほとんどの人々は、そんな暮らしをするでしょう。一方で、「質問を考える」仕事に従事する人々は、会社に残り、まだ見ぬ未解決問題を創造し、企画書を出し続ける日々を送ることになるでしょう。ひょっとしたら、「質問を考える」人々の間には、一種の特権意識が芽生えているかもしれません。「”奴ら”は考えることも無く、ただ生きながらえている動物みたいなものだ。創造的に問いを探し出す我々こそが、真の人間なのだ」、みたいな。

 

 

...ごめんなさい、最近、ジョージ・オーウェルの「1984」を読んだせいでこんな想像をよくするんです。でもこれ割とあり得ますよね、というか実現しつつありますよね。どうしよう...、せっかくなら「質問を考える」方に行きたいけど、行けるのかな...。